インペリアル・カレッジ・ロンドンCS修士の卒業生インタビューを投稿した

2018年にImperial College LondonのMScコンピュータサイエンスを卒業してからしばらく経った頃に、クラスの友達から将来の受験生のためにインタビュー記事を書かないかと依頼があったので、せっかくなので書いてみた。

本文は大学のCS学部のホームページから読めるが、今回はそれを日本語に翻訳してみた。もし、日本人でImperialのCS修士課程に興味がある人に役に立てればと思う。

卒業生インタビュー原文(英語):http://www.imperial.ac.uk/computing/prospective-students/courses/pg/msc-computing/msc-computing-alumnus-image-grid/kiyohito-kiyo-kunii/

以下がその翻訳である。

1. なぜインペリアルカレッジロンドンのコンピュータサイエンス修士にしたのか?

インペリアルのCS修士課程は、コンピュータサイエンスの必修基礎科目(前学期)と選択応用の科目の選択(後学期)の両方を提供している点が魅力的だった。

大学もコンピュータサイエンスでの世界的に研究実績が高く、アカデミックと産業の両方で非常に高い評価を得ている。また(統計的機械学習だけではなく)論理手法の人工知能の分野もインペリアルは研究非常に強い点が魅力的だった。

2. 修士課程を始める前は何をしていた?

新卒での最初の仕事は、東京でCSとは全く別分野の企業買収(M&A)アドバイザリーをやっていた。主に財務分析やM&Aプロジェクトマネジメントが中心で、ソフトウェアエンジニアやデータサイエンスなどは全く関係なく、コーディングもなかった。

その後、独学でプログラミングを学び、東京からエディンバラに引っ越し、現地のクラウドコンピューティングのスタートアップでフルスタックエンジニアとして働き始めた。スタートアップだったので、そこでは主にJavaScriptのフロントエンド開発とPythonのバックエンド開発等、とにかくなんでも屋の開発者だった。その頃、コンピュータサイエンスを学んだり、データサイエンスや機械学習などの分野で働きないなぁと思っていた時に、インペリアルのCS修士プログラムを見つけ、申請することにした。

3. 修士課程を始める前にどのくらいコーディング経験があった?

Udacityなどのオンラインコースで基本的なJavaScript、HTML / CSS、Python、Rubyを独学したりした程度で、静的型付け言語の経験はなかった(CSプログラムでは、アルゴリズムやオペレーティングシステムC ++やJavaが使われている)。

4. この修士課程プログラムで気に入っている点は?

コンピューターサイエンスの理論系だけじゃなく、プロジェクトやプログラミングの実践的な課題が多い点が良かった。特にグループプロジェクトでは、自分のチームはOcadoという実際の企業(Amazon Freshのようなオンラインスーパーマーケットをイギリスで展開している企業)と協力して、商品の識別が可能な深層学習パイプラインを開発した。このプロジェクトでは、3Dレンダリングを使用した新しいデータ拡張手法を開発した。アカデミックおよび実用的な両観点からなかなか面白いプロジェクトだった(詳細はhttps://github.com/921kiyo/3d-dl)。

5. この修士課程プログラムで最も大変だった点は?

後学期は全体的に非常にタフなセメスターだった。前学期の基礎科目が終わり、応用の選択科目の受講し、同時進行でグループプロジェクトと、夏季学期の修士論文の下準備をし、更に年末試験の準備をする必要がある(1学期と2学期の科目の両方の試験が5月にある)。これに加えて、一部のクラスメイトは大企業や大学院PhDのポジションに応募する準備も同時にしたりしていた。

6.  修士課程プログラムではどのようなことを学んだ?特に誇りに思っていることは何?

正直プログラムを最後までやりきったことが一番の誇りだ。その中でも特にグループプロジェクトでOcadoと共同で行った機械学習の開発は特に面白かった。プロジェクトは最終的に企業パートナーシッププログラム表彰を受賞し、研究レポートは後にPeerJ Computer Scienceに「Synthetic dataset generation for object-to-model deep learning in industrial applications」として発表された(https://peerj.com/articles/cs-222/

7. 卒業後の進路予定は?卒業後は何をしているの?

ビッグデータと機械学習に焦点を当てた分野での仕事に興味があった。今はロンドンのデータ分析会社でソフトウェアエンジニアとして働いており、データパイプラインツールのオープンソースプロジェクトに従事している。毎日楽しく働いて、多くを学んでいてとても充実した毎日を送っている。修士課程プログラムは短期間で非常に多くを学んだが、プログラマーとしての長いキャリアとを考えるとまだほんの始まりに過ぎず、まだ多くを学んで行く必要があると感じている。

8. この修士課程プログラムを検討している人に他に伝えたいことは?

インペリアルのMScコンピュータサイエンスは、テクノロジー業界でのキャリアを始めたり、コンピュータサイエンスでPhD取得のための準備をしたいという人に特におすすめだ。クラスメートの多くは、ソフトウェアエンジニア、データサイエンティスト、機械学習エンジニア、データエンジニアとしてキャリアをスタートさせたり、その他では戦略コンサルティングや投資銀行などの業界で働いている。在学中や卒業後にスタートアップを始めた人もいれば、卒業後にCSの博士号を始めた人もいる。以上のようなキャリアに興味があるなら、このプログラムはかなり向いていると思う。キャリアだけでなく、インペリアルで出会った世界各地から来たエリート達と一緒に過ごした時間は特に充実したものだった。